本日卒園された園児の皆様
おめでとうございます。
ここに美術講師からのメッセージとして書かせていただきます。
今回の卒園制作は、画家の大竹伸朗の作品から影響を受け、制作を始めました。
集積と構築と破壊
かのパブロピカソは、「すべての創造は破壊から始まる」と言っていたそうです。
思えば、3歳で入園してきた子供たちも最初は、なんでも集めたり壊したりすることから始まっていました。
そこから構築するようになり、大人になるにつれて何かを創り上げることに夢中になることでしょう。
でも、ここで培ったアートを通した考え方は、少しばかり違うはずなのです。
壊すと創るは、同義だということを制作を通して学んだはずなのです。
創り上げる、それは、既製品を並べ立てることではないのです。
既製品の考え方を自分なりに分解して、自分の表現として再構築することが創り上げることです。
ニュースやSNSで流れる噂話を自分のことのように話すのは違います。
誰かの意見に惑わされ、みんながそう思うならと忖度することも違うのです。
「あなたはどう感じるのか」
深く理解し、深く物事に触れる中で大事にしてほしい感覚です。それこそが再構築されたあなたの表現の原石です。
さて、あなたは今何を感じているでしょうか。
時に人に騙され、流され、自分を見失う日も来るでしょうか。
でも、忘れないでいてほしいのは、いつでもアートはあなたが表現するとき、考えるとき、行動を起こすときに味方になってくれます。
あなたがあなたらしく、誰かに愛されること、自信をもって表現できることを望みます。
では、新しい水夫の皆さん、古い船に揺られて旅に出てください。
その航海が後悔のないものになりますように(笑)
美術講師 草野志門