園長から伝えたいこと

今、みなさんにお伝えしたいこと(長文です)

1.新型コロナウィルス感染症に係るあれこれ

年末近くになって、新型コロナウィルスに感染する方がまた増えてきました。

近隣の幼稚園や学校で学級閉鎖が相次いで、学年閉鎖や園閉鎖というところもあったようです。
当園でも、11月に初めて1クラスを1日学級閉鎖にしましたが、先週末もまた別の学年で1クラスを1日学級閉鎖しました。昨日は別の1クラス早退のご協力をお願いしました。
日頃から保護者の皆さまと一緒に予防策を取っているため、閉鎖も1日で済んでおり、クラスターの発生はありません。

さて、療養期間、濃厚接触者、そして検査はいつやれば結果に反映されるのかなど、国の基準が変化しているおります。どれか正解かは、感染や家族の状況その他、細かいところは状況に応じて判断するとしか言いようがありません。

実際に、療養期間14日間→10日間→7日間(職種によっては5日間)と変化しましたが、7日経っての検査でまだ陽性である事例が複数確認されております。
そのため、園では10日間の療養をお願いしている次第です。今後も感染は容易に収まらないようですので、感染が確認されたら、状況に応じての対応にご協力をお願いいたします。

新型コロナウィルス感染症やワクチン、それらの後遺症については様々な見解があり、子どものワクチンも推奨されている中、自分の子どもにワクチンを打つべきかどうか悩んでいる声も聞こえています。

今日は、何十年も毎日、たくさんの3歳児4歳児5歳児と一緒に過ごしてきた幼稚園教諭として、体験したこと、肌で感じていること、そして、保護者の皆さまや知り合いの体験を見聞きしたことを少しお話したいと思います。

まず、新型コロナウィルス感染症に罹患して、後遺症と呼ばれる症状が出ている方は複数いらっしゃいます。味覚や嗅覚が戻らなかったり、疲れやすかったりということを耳にしております。
ワクチン接種後に、期間が経過してもなお体の不調を感じている方も複数、持病が悪化して大きな病院へ紹介された方も1人知っています。

また、マスクに関しても賛否両論聞かれますが、当園の場合、3~5歳児なので、マスクのせいでコミュニケーションがうまく取れずに発達に影響するということは今の所全く感じておりません。
マスクをしていても良くしゃべるし、よく笑うし、目で表情も良くわかる子どもたちです。
3歳~5歳というと、感染予防でマスクをするということもよくわかっていますし、状況に応じてつけはずしも上手にできます。また、体調不良が疑われる場合は、その都度マスクを外して顔色、唇の色を確認しています。

戸外で遊ぶ場合はマスクを外していますので、友だちの顔がわからないということもありません。(今は感染状況が悪化しているのと気温が低いため外でも基本的にマスクをしています)

以前からインフルエンザの季節(冬から春にかけて)は、マスクをして感染症予防をしていました。ウィルスが不織布を通過してしまうとしても、おしゃべりやくしゃみで飛び交うウィルスが混じった唾液等の粒子は防ぐ効果があるからです。

昼食時におしゃべりをしないのはかわいそう、という大人の意見がテレビなどで聞かれますが、コロナが流行する前も、給食の時間「いただきます」をした後はしばらく園舎内がしーんと静まり返っていたものです。お腹がすいていて目の前においしいご飯があるのですから、まずはもりもり食べるのが、子ども本来の姿です。

また、食育として、日本の食文化に照らした食事のマナーを教えるのも幼稚園ですから、お喋りは慎んで五感で味わって食べることも教えています。
給食時の数十分お喋りを控えたら、コミュニケーション能力や発達にマイナスの影響があるとは考えにくいと思います。

幼稚園という環境での感染予防に100パーセントはありません。
手を洗う、消毒する、マスクをする、よく遊びよく学ぶ、給食をしっかり食べる…それを毎日繰り返すことが大事だと思います。
そして、園から家庭に帰ったら、手を洗って着替えて、休養したり遊んだりお手伝いをもして、晩ご飯を家族で楽しく食べる、お風呂に入ってよく眠る、起きたら朝ごはんをしっかり食べる。そんなふつうの暮らしを繰り返すことが一番大事だと思います。
子どもを育てるためには、家庭、園、社会が同じ思いでそれぞれがすべきことを丁寧に行うことが大事です。

日本社会には、もっと熱心に幼児教育の向上と教員の育成に対して支援することと、コロナ禍下子どもたちが健やかに成長するため、正確な情報提供を望みたいところです。

2.最近の事件や事故に係るあれこれ

このところ、園バスに子どもが置き去りにされて命を落としてしまうという痛ましい事故や、最近では園での虐待で逮捕者が出る事件が発生しています。

子どものバス乗降の際に一人ずつ名簿と照らし合わせて確認すること、最後に眠ってしまった子がいないか、座席の下に落とし物がないか確認することも、全て、仕事をしている人として常識なのですが、園ではそれを文章化して全員で共有しています。運転手も添乗員が降りた後に全席目視で確認をしています。

当園では、一度もバスの添乗経験がない職員を添乗員として突然乗せることはしていません。新任の場合、事前にベテラン教諭と一緒に乗ってマニュアルを実際に経験して覚えます。また、年度当初は初めて乗る園児がたくさんいますから、添乗員も2名乗せて園児の様子を観察しながら対応してもらいます。

添乗員が座席の下まで確認する、子どもの名前を丁寧に呼ぶ、等々、ルールを作って文章化し、環境を整備した上で、定期的に遊具の点検、マニュアルの改善をしています。

園は小さな社会ですから、転んでケガをしたり、友だちとぶつかったりということは当然あります。それらが、大きな事故に繋がらないように、子どもたちには、幼稚園という社会で生活しながら、ルールを教えて行きます。例えば、4月の3歳児にはさみを自由に使わせることはしていません。持ち方、切り方などを全員に指導し、必ず刃先の方を持って移動して、机のある場所で椅子に座って使うことを繰り返し教えます。紙をくるくる丸めて棒を作ったら先は少し潰しておく、その他遊具や道具の使い方などを計画的に教えて行きます。

友だちや先生とのコミュニケーションの取り方や、年下の友達への接し方も、園生活で失敗しながら学びます。年少さんが遊んでいるところを駆け抜ける年長さんを、危ないでしょ!と叱ることもあります。昨年からは、デジタル機器(iPad)の使い方やマナー等も遊びながら教えています。

それら、常識とも言えることは誰も改めて教えてくれない、生活経験から学ぶことが多いからです。だからこそ、幼稚園という場所が、生活の中で人としてあたりまえのこと、を学ぶ環境でなければならないと思っています。

幼稚園教諭や保育士という立場でなくても、大人が幼い子をいじめるという行為は常識ではあり得ないのですが、事例が複数ある現実から、幼児教育、保育に携わる人間の質が恐ろしいほど下がっている証拠だと思います。
先にも述べましたが、教育に力を入れない日本社会では起こるべくして起こった現実だとも思います。

園における子どもの虐待事件があるたびに、先生の労働環境が劣悪であることや給与が低いからそう言うことが起こるというような内容が聞かれます。実際に、夜の9時10時、あるいは日付が変わるころまで仕事をしている幼稚園が残念ながら、まだあると聞きます。
実はこの時間には無駄もかなり多いし、改善できると思っていますが、現実に教育保育に携わる人間が、毎日そのように遅くまで仕事をしてしたら、心身が疲弊して質の良い教育保育ができないであろうことは想像できます。

当園では労働環境改善に早くから取り組んできました。定時退勤はもとより、記録や連絡等はデジタル化し、降園後の業務時間を少しずつ短縮し、教材研究などの保育の準備を手厚くするようにしています。
とは言っても、原発事故で放射線被害があった時は、測定や掃除、現在のコロナ禍下では、消毒や細かい感染対策に時間をかけざるを得ない日々と、考えて対応する時間が必要な毎日ではあります。

3.幼稚園の教育について

さて、当園では担任制ですが、アート活動の際は私や他の先生が補助に入りますし、リズム遊びなどの活動も担任以外の先生が指導に入ります。時々担任同士が入れ替わって指導に入る機会も設けています。人数が100人程度ですから、全員の顔と名前もわかりますし、職員同士の報告や質問など、毎朝の職員ミーティングや月1回の会議の他、各担任にiPadを支給しているので、Google work spaceを利用して、何事も全員で共有しています。

また、園児の様子は1日何度も廊下を行き来しする際に様子を覗いたり、子どもに声をかけて話をしたり、昼食時に食べている様子を見がてら話をして様子を知る、ということを積極的にしています。
園内外の10台のカメラと事務室のモニターも活躍してくれます。

安全のための機器やシステムが揃っていても、それを有効に利用できる人間がいなければ意味がありません。そのために、職員同士声を掛け合い、指導をし、改善策を考えるということを続けています。
これで十分、これで安心、ということはないのです。道具やシステムを使う人間の技術と意識を常に高める努力を続けることが大事です。

昨日、年長のAちゃんのお母さまから伺ったお話をお伝えします。
Aちゃんの上のお子さんが年長の年は、新型コロナウィルス感染症対策について、国も右往左往していた頃でした。行事を中止したり、縮小したりと、学校関係もどこまでどう対策したらよいか、手探り状態でした。そんなわけで、その年はバスで出かける年長さんの芸術鑑賞旅行も中止の判断をした年でした。

今年、芸術鑑賞旅行に行ってきたAちゃんは、学習してきたことをお家でお母さんにたくさんお話をしてくれたそうです。それを聞いたお母さんとお父さんは、家族全員で県立美術館に足を運んでくれました。
そこで、作品を鑑賞しながら、Aちゃんは、皆で絵をどんなふうに鑑賞したのか、志門くんは何を教えてくれたのか、作品を見て何を感じるのか、お家の人に話しながら、問いかけながら、家族で芸術鑑賞をしてきたそうです。
たくさんのことを日々感動と一緒に学習している子どもたちですが、それをきちんと家族に伝えて、ご家族はそれを丁寧に聞いて、今度は家族で同じ場所に行ってお子さんの体験や感動を味わってくれたのです。幼稚園、家庭、社会資源、それぞれがうまく機能して初めて、子どもの育ちが担保されるということがよくわかる、素晴らしい事例です。

もうひとつ、別のお母さまから、今年も一年本当にお世話になりましたというお言葉を頂戴しました。よくある暮れの挨拶ではありますが、言葉にして下さることはとても素敵だなと思いました。加えて、園の教育について褒めてもいただき、とても励みになりました。

国や自治体が子どもの教育の本質的なところに力をいれてくれない(お金をかけてくれない)のであれば、家庭や園が頑張るしかありません。必要な教育も子どもの安全も、予算を取ってしっかり行うことが大事だと考えています。

以前、教諭の研修を手厚くしたことで、辞職した先生もいました。学びの必要性を感じていない人は、当然学びの結果を教育に反映させることがうまくできません。そうなると仕事は辛いと思います。

笑顔でいるのが良い先生、ということではありません。
笑顔で質の良い教育を提供するのが良い先生です。
そして、そういう先生は自分の仕事に対しての目標も持っていますから、どんどん良い先生に育って行きます。そのための環境を提供するのも幼稚園です。

給与や賞与についても毎年昇給していますし、例えば、休日の研修も法定通り休日出勤の給与を支給しています。
そして何より、毎日定時に帰すことで、休養を取り、ゆっくり食事をし、趣味も充実した生活ができます。
そうやって、心身ともに健康を保ってこそ、翌日、張り切って幼稚園教諭としてのパフォーマンスを発揮できると考えています。

幼稚園は子どもの健やかな育ちを保障する教育の場です。そして、教育するのは人です。子どもはもちろんですが、園で働く先生たちの心身の健康が、教育の場には特に大事だと考えます。

4.さいごに

防衛費のために増税がなされるなど、給与が上がっても税金が高くなり、戦争が起こって日本も様々な影響を受けています。物価も高くなるという状況となっています。
当園でも来年から食材やバス代について値上げせざるを得ない状況となっており、今月中に詳細ご報告する予定です。

パンデミックが実際に起こり、収束の気配は見えません。11年経ちましたが、巨大地震に津波、そして身近で原発事故があり多大な被害も受け、原発の廃炉には何十年という年月がかかり、何十兆円というお金が必要です。

これから何が起こるか起こらないか、当たり前ですがわかりません。
しかし、私たちの目の前にいるのは、何があったとしても、どんない生きづらい社会であったとしても、自分の頭で考えて、自分の力で収集した情報から選び取って、誰かと助け合いながら、この地球で生きて行く子どもたちです。
幼稚園と家庭が同じ思いで協力して、しっかりと育てて行かなければならない。そう思っています。

そして、園の職員も、自分の家族と生活し、子どもの親として、社会の一員として、皆さんと同じように悩みながら生きているということも、申し添えておきます。

福島わかば幼稚園の教育の特色である、アート教育と食育については、また近いうちにしっかりと詳しくお話したいと思います。
まずは、今月23日から開催される、「第7回芸術家220人展」をぜひ見に来てください。
原点も通過点も、そして今も見て知っていただきたいと思います。

最後の最後に、子どものワクチン接種に関して。
皆様から、接種に関して悩んでいる声が聞かれています。
長期的な安全性は全くわからないのに、国は推奨し、医者は推奨している方もいますが、反対している方も多数いるのですから、悩んで当然だと思います。
アドバイスは何もできないのですが、たくさんの情報をよく整理して、判断していただきたいと思います

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