暑い日が続いたおかげで、戸外での自由遊びの時間は、砂場遊び水遊びが盛り上がっている今日この頃です。
外に出ると、子どもたちの日常風景が目に入ります。
空を見上げて雲を眺めたり、山の色の変化(新緑の季節は淡い緑も交じってきれいです)を楽しんだり、足元のダンゴ虫やアリを眺めたり後を追ったり、シロツメクサを摘んだり、砂の中からダイヤモンドを集めたり、梅の実を拾って遊ぶ子に「絶対食べないでね」と先生が声をかけていたり。
紫陽花が開くのを楽しみに待つ声や、つばめが巣にエサを運ぶ様子を見て歓声を上げる子もいます。
原発事故や自然災害、そして新型コロナウィルス感染症。
あたりまえの日常の風景が突然失われることはないなど、もはや誰も思っていないでしょう。
いつ何が起こるかわからない。
だからこそ、園での日常を滞りなく続けて行くことについて努力する毎日です。
先週、巣立つ数日前のスズメの雛が園庭に落ちてしまったらしく、子どもが見つけてざわついているところに担任が「踏まないで!」と叫んでいるのを聞きつけて救出しました。
まだ羽ばたくこともしないで歩いている雛を、心配して鳴きながら見ているお母さんスズメの姿も確認しました。
「どうしようね」「家を作ってあげよう」という子どもたちの提案もあったのですが、命優先です。
「残念ながらそれでは育てられないからお母さんを呼ぼう」と話をして、とりあえず踏まれない場所に保護しました。
お母さんを呼んで鳴き続ける小さな雛を、皆に踏まれないでお母さんスズメがエサを運んで育てられる場所(2階のテラス)に移しました。
健気にお母さんを呼び続ける子スズメでしたが、しばらくしてそうっと見に行くと、お母さんがちゃんと来てご飯を運んでいました。
ほっと一安心していたところに、夕方掃除をしていた先生が「あれ!これってまた落ちてきたんですか」えーっ!また⁈と思って保護して2階へ移動するとなんと別のスズメでした。
しばらくしてまたそっと見に行くと、同じお母さんがちゃんと2羽にご飯をあげていました。よかった、きょうだいだったのね、と2度目の一安心。数日後無事に2羽とも巣立ちました。
スズメは親が一生懸命エサを運んで、事故がなければ数週間で巣立って行きますが、人は自立するまで長い年月を要します。
社会で生活するために躾や教育は不可欠ですが、まずは健やかな体と心を保つことが必要です。
コロナ禍の教育保育は、だれも「これなら絶対感染しない」とは言い切れず、リスクを軽減しながら続けていくしかありません。
新型コロナウィルス感染症の後遺症についての調査結果を、テレビでもやっと数字で報道するようになり、国のワクチン接種を後押ししたい様子が伺える中、ワクチンで体調をひどく崩したり、命を失くした人がいるのも事実です。
いろいろな考え方あるとは思いますが、一番大事なのは健康です。命です。
園児、園児の家族、職員とその家族、どの命も等しく大事です。
スーパー中和抗体が製薬化される日もそう遠くはないと期待されています。新型コロナウィルス感染症が簡単に治せる日も必ず来るでしょう。その時まで、みんなの健康を一番に考えてリスクを軽減しながら教育保育を行います。
ご理解とご協力の程、どうかよろしくお願いいたします。